鈴木ビルほか

【鈴木ビル】中央区銀座1-28-15／昭和４年（1929）／設計：新定蔵／ ＲＣ造５階

【奥野ビル（旧銀座アパートメント）】中央区銀座1-9-8 ／昭和７年（1932）頃／設計：川元設計事務所／ ＲＣ造６階
銀座の裏通りにある鈴木ビルは、松竹の貸し衣装業を営んでいた鈴木氏が 建てたもので、当初は公演会やけいこ場などに貸し出す「貸席建築」であった。 （都内でも珍しいものだ というが、付近には 歌舞伎座や 新橋演舞場などがあるので、そうした事業が成り立ったのであろうか？）

２階には広い舞台があり、３階が住居にあてられていたという。 現在では、建築設計事務所などが入っている。
外観も中々ユニークで、屋根窓や、出窓、丸窓と変化を付けた 大胆なデザインである。 全体にスクラッチタイル仕上げ、玄関回りをテラコッタで飾っている。

同じ銀座1丁目にある 奥野ビルは、元は"銀座アパートメント"という 高級アパート。文士・ダンサーといった多彩な人々が生活していたという。
入口近くの丸窓や、スクラッチタイルは何となく同潤会アパート風・・。 （川元良一？）
建設当時のものと思われるエレベーターが現役でがんばっている。

こうした建物を見ると、何だかとても うれしくなってしまう。いつまでも 大切に使ってほしいものである。
（1998.10 記）

参考文献：「中央区の文化財」７(中央区教育委員会)

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