自由学園明日館

豊島区西池袋2-31-3／大正11年（1922）／設計：Ｆ．Ｌ．ライト／ 木造平屋(一部２階)／重要文化財
自由学園は、羽仁もと子・吉一夫妻が理想的な教育を行うために設立した 学校である。帝国ホテルの設計のため 来日していたライトが、夫妻の理念に 共感し、ローコストの校舎を設計してくれた。

まもなく校舎も手狭になり、学園が昭和5年以降、東久留米に順次 移転した後は、卒業生のサークルなどが使用していた。

ライトの日本での数少ない業績であることから、今年、重要文化財に指定され、 修復のうえ、活用されることになっている。

建物自体は簡素なものであるが、ライトの建築空間を味わうことができるのは貴重である。
一人でいるときでも 孤独を感じないような建物、というライトの言葉があるらしいが （正確なところは忘れました）、大きな窓と暖炉のある一階のホールにいると、 その言葉がうなずける。

また、スキップフロアになっている食堂でも、光が効果的に扱われている。 （1998.10 記）

左＝食堂には古いテーブルや椅子も保存されている。

【補足】この食堂部分はライトの帰国後、弟子の遠藤新によって 増築されたということです （東・西棟の実施設計も遠藤新によるものとか。月刊文化財、1999年10月号）。

[MENU]