日本工業倶楽部（内部）
先日（1999年3月）、久々に日本工業倶楽部の内部を見学する機会があり、写真も取ってきました。
外観の渋さ（地味さ？）に比べ、内部は 古典様式の重厚な装飾が施されており、
素晴らしいものです。
写真右は、正面向かって左側にある２階の大会堂。天井はアーチの曲線を描き、
シャンデリアが下がっている。周囲の壁は大理石仕上げ。
３階の会堂は 少し趣きを変え、落ち着いた感じ。フランス風というのであろうか。
天井付近は漆喰で細かな飾りが付けられている。
外観は渋く、内部は豪華に、というのがこういった当時の「倶楽部建築」の
セオリーであったという。
階段室は大きなガラス面を取り、アールデコを予感させるステンドグラスがついている。
（この日は建物の見学会ではなく、別の催しだった）
居合わせた多くの人も 一様に建物の素晴らしさに感嘆していたが、
来年（2000年）には取り壊される予定であるという話を聞いて、一同唖然であった。
建築生産の状況が全く変わってしまった現在、
この建物と同じものを建てることは、二度とできないであろう。
建替えの話は この建物を正当に評価したうえでの結論なのだろうか、
と 悲しさを覚えてしまうのであった。
（注：上記については、1999年の時点での感想です）